代表取締役社長 大野 悟朗

央卸売市場は、水産物、青果物、漬物、食肉、卵等の生鮮食料品の卸売をする公共的な機能をもつ施設であります。そこでは農林水産大臣の指定する荷受機関として、大量の水産物等が市場法による合理的な取引の定めにより、明朗にしかも能率的に品物が捌かれ、日常の食生活に欠かせない重要な生鮮食料品を市民の食卓にできるだけ豊かにそして公正な値段で供給すると共に、生産者、出荷者の利益を守るため不断の努力が払われています。

社は遠く明治29年に創立され、岐阜市の中心地に於いて魚問屋が開業されたのに始まります。戦時中に岐阜魚介市場株式会社と改称され、県の水産物荷受機関として使命を果し、戦後は食生活の改善と多様化に伴って、当社の積極的な健全経営は画期的な飛躍を遂げ、名実共に業界の信望も絶大なものとなり、その地位も揺ぎないものとなりました。

昭和46年に岐阜市に中央卸売市場が開設されるに際し、いち早く水産物の荷受機関として農林水産大臣の指定を受けて入場し、其の後古い伝統と実績は着実な成果を収め、現在では岐阜県下最大の規模と売上高を誇っています。近時の200海里経済水域問題は水産業界を異常事態に陥れ、生産者、流通業界、消費者に重大なる脅威を与えました。中央卸売市場もまた厳しい経営環境にありますが、これも過渡的なものであり、他の業界と比べ食料品業界は好況・不況に左右されることは比較的少く、常に安定しており堅実なる経営方針を貫いており、年と共に会社の基盤も充実してまいりました。

未筆ながら私共の会社の大きな特色は、株主は概ね社員によって構成されており、社員が管理経営に参画できるという極めて民主的な非同族会社であることを大きな誇りとしております。



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